偏光膜とは、一定方向の光波のみを通す特殊な膜です。
偏光膜は、液晶表示機器などに必要とされる重症な構成部材の1つです。
一般的に用いられる偏光膜は、主にヨウ素を吸着させたポリビニルアルコール系フィルムです。
偏光膜は高性能なレンズになる
偏光膜の厚さは、およそ5~30μmほどであります。
この偏光膜を2枚のアクリル樹脂フィルムで張り合わせたものが偏光板となります。
そして、その偏光板を加工すると偏光レンズになります。
つまり、偏光レンズは大きく3層構造となっておりレンズとレンズとの間に偏光膜を挟み込んだ形状をしています。
偏光レンズを通した視界が鮮明でクリアな視界に変わる理由は、この偏光膜の効果によってもらされるからです。
偏光膜を構成するヨウ素分子は、同一方向状に並んでいるため様々な光の反射も一定方向つまりヨウ素分子の並ぶ光以外をカットします。
スリッドや窓に付ける日よけブラインドをイメージしてください。
ブラインダーは、日をよけるための道具ですが一定方向の光をシャットアウトしてくれます。
このような似た機能をもった膜が偏光膜となります。
偏光膜を自作してみる
実は、PVA洗濯のりを使って偏光膜を作る事ができます。
PVA洗濯糊は、他にスーパーボールやスライムを自作するときに使用します。
さて、偏光膜を作るにあたって準備するものは以下のとおりです。
作り方の手順にうつります。
まず、PVA洗濯糊を容器にいれて乾燥させます。
乾燥し乾ききった板状のものを取り出します。
次に、水200mlにヨウ化カリウムとヨウ素1gを混ぜてヨウ化ヨウ素水溶液を作ります。
乾ききった洗濯糊をフィルム状に小さく切る。
切り出したフィルム中央を加熱し、両端を持ちながら引き延ばす。
伸びたフィルム中央をハサミで切り、切り口方向をヨウ化ヨウ素水溶液に数秒間漬け込んで紙でふき取ります。
そうするとヨウ素膜がフィルムに付着して、偏光膜の完成です。